蔵という字があてられている。役人の詰所ではあったが、施設はストックヤードであろう。
観光客が肩を接して行き交うほどでないこの辺りを、島に来て間もない自分は案内表示を見てそう思っていた。

しかし支配者である略奪者の手先のオフィスが、そうした品々の収容庫で表されてなんの不思議があろう。

その門前に命脈を保ってきたこの木が口がきけたら、この島の何重にも巻かれた抑圧の歴史の生き証人であろう。


枝を持ち帰って小太鼓のスティック位に一対切り揃えると、ガジュマルらしい脂(やに)が、彼の正気を保証している。


私は「三英傑」などと封建時代の連続的な支配者の出生地を故郷にもつものだが、こうした狂人達を祭りの主役に仕立てたり娯楽のヒーローに見立てて楽しむようなセンスが理解できない。