台湾のクルーズ船

朝七時入港、待っていたタグボートが取りついて、後部側辺を押す。
港内で大きく反転する様は、パフォーマンスではないかと疑われるほど見応えがある。

こうして舳先を外に向けてほぼ12時間停泊して、夜の七時辺りにその体勢のまま帰路につく。このクルーズ船の名前が何であるかは、話題になっていない。

大型スーパーで沢山お菓子を買ったり、道端に座り込んでノートパソコンを開いたりする。訝る声もあるがわが国の若い風俗の昨今と、大差ないと私は思う。

我々は、時代の先頭集団に属して走っているとは思えない。そういう感想はランナーが先頭集団と差を縮めるときに抱くものだったと、やがて彼らも思う日が来るのではなかろうか。

クルーズ船の項、ここまで。
タグボートの乗組員はオキナワとの往復生活を負担に言っていたが、すっかりこの島に常駐の様子だ。
高くて赤い橋脚に算用数字で2と書かれたタグボートが頭を覗かせている……、501からの眺めである。