緑の二矢

双葉を消費する、間も光もなく命を閉じるモヤシ。モヤシ……と書こうとすると、萌やしと次候補をケータイが提案してくれた。

根を張る前に夜閉じるおさな葉を瞬く間に次々に産み出して、双葉は蓄えをなくして役目を終えようとしてそれを日照りで枯らしてしまった。

これを鋏でつまんだら、小さな小さな脇芽が生まれたように見えるのである。実は我が目を疑う。よくは見えないのだ。

もう双葉に余力はないのだが、その蓄えをあてにしなくてよいほどに根を一人前にしただろう、土中を透視してみれば。
ギンネムのさいさきも多難に幕開ける、裏庭の地べたに降ろしてやろう。脇芽をもう少し、形にするこどができたら。
これを「緑の二矢(おとや)」と呼んでみた。