二抱え

秋田に五度通って三年越しで、最後の曲げわっぱをやっとモノにして青森から戻った。
愛知県小牧空港の国際ターミナルは今やショッピングモール、旧宅まで歩いて帰ると滅法勝手が悪い。

そうだろうとも、なぜオスプレイが来ないのか分からない。

暗がりの脇道を探して歩く、行き止まっても乗り越えるゾの土地勘!

見慣れた回廊だが、桜並木に足を止めた。
直径1メートルなら、軽く二かかえだ。
日中戦争時に手弁当で滑走路が拓かれた話を聞いたのは、祖父繁太郎からだろう。そんな往時、並木を植える余裕があったろうか?

戦後進駐してきた駐留米軍手植えとなれば、六〇年にして胴回り3メートル余。
私の胴回りも誇れる寸法ではあるが、同年の桜の足元にも及ばないと暗がりで思い知るのだった。