まんてんぼう

まんてんぼうは満天望と書くのだが健康ランドと称して、この国では郊外型の大型大衆浴場のことだ。
この粋な屋号のそれに島から戻れば、日参している。朝風呂に決めている。

小ネタは鷺のほかにもあって、たとえはこの下足のカギ。使用後に戻る100円が必要だか、靴を収めても鍵をかけなければそれを投入する必要もない。
横着者もいるが、ちょうど小銭が足らないこともある。

で、そんな他人の開けっぱなしの扉に100円を投じてカギをかけてしまうイタズラがあると、知らせる貼り紙がどこにも見られるようになった。

この愉快犯を捕まえる手だては自明で、利用者の問題だと貼り紙は言っている。


自分の靴を取り出して帰った客が戻った100円をとり忘れてしまったことを、しばしば目撃した。ムロン、有り難く勝手に回収させていただくとにしてきた。
下駄箱のさてどこが空いてるかな〜という一瞬が、勝負デス。ひとつおいた隣に上に三つも100円が忘れてあったりしたこともあって、なんだが3万円も得した気がしたものだ。

おとといふと番台(と言ってイイダロ)で、最近どうよと聞いてみた。頻繁に見回ってるんだろ!?

それもそうだが置き忘れも減って、かわりにあんな悪戯が増えたとかれはいうのだ。 バブルのころと比ぶべくもない、というお話。。


脱衣場に畳が敷いた一画があって、湯当たりした人が横になってたりする。すっぽりバスタオルが掛かってたりすると、ぎょっとする。
腰を下ろしても股引きを脱ぐのに苦労しているじい様の、背中の膏薬を剥がしてやったりする。
その壁にもたれてピチピチの股引きをはくのだが、私が腰を下ろすのを憚らるのには訳がある。。

死んだ子が一人息子だったので、のんびりした所が不満で、小学校に行きはじめたころケツを下ろして靴下をはいているので、立ってはけと蹴っとばし
たことをいつまでも悔やんでいるのだ。


満天望の浴槽は階上にあってエレベータもあるが島から戻ったはなは階段は一段一段にツーステップひつようだが、スムースに昇降が可能になったころ再び渡島となる。