岡田防水布

岡田防水布というのが屋号、木目が浮き出た格子戸の中。奥に中庭を配したまちやづくり、中庭の先の蔵に差しかけた軒の下で主が、束子で柿渋を摺り込んでいる。

そのようにして美濃和紙に防水を施した雨合羽を、社寺から請け負ってきた由。
大垣は「芭蕉奥の細道」の行き着いた地点であるとかで、大層な文化施設を何を潰して拡張したか知らないが、情けない文化ゾーンから無縁の鄙びた旧道に、岡田は取り残されたように生業に勤しんでいる。

もう使えもしないデッドストックのテント地から屋号部分を切り取って、こうして私のハンモックに縫い付けた。数はやっと二桁。
私の能力も知れたものだが、いくらなんでも。もう少しよく探してもらう。
柿渋・23穴/W(私のハンモックの最大サイズ)は、このテント地の切り抜きタグがなければ作らない。