ならぶ星

家まで辿りつけなかった。
目をさますとヨーンシーは、辻のモンゴリ楢の根もとに横になっていた。
まくらにしていた板根を見て、ふとオーロラはこんなふうにうねうねと
先へ続いているのかもしれないと
見たこともないもののことを考えた。

酔いはまだ冷めたとは言えない、ヨーンシーは
よたり立ち上がった。
朝にはまだ間のある、闇はいよいよ深く星はかがやいている。

俺はかたわらに倒れたまま、 夢を
みているのではなかろうか?
しかし、当然のことながら、ヨーンシーの足許に
横たわった姿はなかった。

なぜだか星はすべて、一列にならんでかがやいている。
遠くにかすむように連なるあたりは、ひかりの
線になって細くほそく
どこまでも果てもなく続いている。

そののち、ヨーンシーが本当に目をさましたのは
日が高く上がってのちことだ。

遠くつづく星の先を見遣り、これを追ってどこまでも
どこまでも出かけたい、そう思った
気分だけが野で起床した朝の
ヨーンシーのこころに残っている。