宅送り

タクシー業界に「宅送り」という用語が全国的なものかどうか分からないが、夜毎未明の離島の海の玄関に二台が客待ちしている。
この離島ターミナルで泊まり勤務して、朝帰りする客を待っているにちがいない。

タクシーがこうした間にエンジンを切りたくなってしまうほど、ガソリンが高騰する時代がなかなか来ないな。
内燃機関の技術革新が間に合うのか?
技術者がものをそれがもっとも、必要な者のために生み出したことなどない。デザインを知った十五の時から、居心地が悪かった。

まことにささやかなひとときを過ごしていることを自覚しているが、デコラティブに靴紐を結ぶこころみすら、……。

120足の半ばまで来た。年があけたら「一年365足」と改めようなどと、来年のことをかんがえている。千足結ぶ、そしてそれは、ハンモックを五〇〇本編むことの、副産物にすぎない。

追随者が出現すれば、相違が明らかになるだろう。高揚感というものを長続きさせる工夫が必要なのは、若くないからだ。来るところまで来た。