街頭に小さな羽根がいちまい落ちていた……と見えたがよく見ると、羽根のかたちをした木の葉だった。
なるほどどちらも風に親しい。次の角を曲がると……。
こうもり傘をいつも携えた路上生活者とおぼしい男、若くないが息絶えたことりをぐーのかたちで突き出した。
褐色の斑な羽根は雀のようだが、頭にはあざやかな黄色いゴマが混じっている。
もうひとりの私ならこの光景を、私の方が施しを受けているのではないかと見てとるのではないか。
じっさい私はそのとき、男に有り難うと言ったようにおもう。ごく小さなむくろの返礼を代弁したのであろうと。