二番目に好きな曳き舟

イレギュラーなクルーズでも来なければ放水銃を二段に掲げた「琉王丸」は、この石垣に姿を見せません。

かわりに冬の閑散期にわたしの視線は、こちらの曳き舟にあつまる。排水量はさらに小さい。曳く相手もいたってつまらない。

華やいだ異国の客はおろか、ときどき響く怒号とか何かが擦れあう廃棄物の悲鳴が詰まった鉄のハコだ。