2007年のハンモック

これはコンドイ浜に、漂着した流木だったろうか? はじめて南の島々を訪れて、あちこちの浜を歩いた。その時は道連れがいた。それから今年で八年目になるが、そのときの道連れをまだ待っていることになる。一人でいられるにも、限度があるだろう。

製作にも波があってここのところ、編むより解くことの方が多い。当時ふたつ並んだ百畳倉庫に持ち帰って、南海漂着流木にしつらえる趣向シリーズに、製作番号を振った。

小口や側に穴をうがって、着色ダボを打ち込んだ。ひとつが1、ふたつが2で5は大丸ひとつ。10は大丸ふたつという具合で、写真のこれは記念すべき第一号というわけだ。

あちこち設営イベント撤収のおりそのまま残したり、買われたり差し上げたりした。ハンモックは作品というより普通の道具だから、ことさら拘泥せず行く末を気にとめなかった。

先日ふと解いたものに、第一号の刻印を見出だしたのである。帆布張りで縫製は、前野美智子が二〇年も前に縫い貯めてくれたもの。
90キロの私が普段遣いして、綻びてもいない。染め液の残りで、このたびはからずも朱。いずれ露紅と泥にする下染め。

ギャラリーがハンモックのものでありながら中休みしてちょっと横になるにも、501のマンションを往復している。やっとこれを、スタッフ休憩用ハンモックに使えるはこびと相成る。