櫂は漕ぐ、櫓は押す。

先日安乗崎に出向いてパールロードにのって、「海の博物館」にこいちんち滞留した。和船収集はもはや収拾がつかない様だったが、大空間に縦積みされて眠って、あるだけマシ。一つひとつに呪文のような言葉をかけて充実した時間をすごした。

砂田光紀文中の櫓床部分だけ取り外されて、たくさん集めてあった。なるほどピンは同径だが一つひとつに木の表情や節の事情というものがあって、同じとは言い難い個性が感じられた。

漁網のコレクションを見たかったが学芸員は、地味ですからねとその閉じられた扉に立ちはだかって悪びれず言った。万博記念公園ミュージアムの漁網コレクションもそれを研究対象にしている人はいそうになかったが、ボリュームに初見の私は満足した。ピーチ・アビエーション関空に降りて、近鉄で名古屋に帰る途中に寄り道した。