役所公司

私には新しい監督とおぼしき、クライマーズハイを映画にした監督だという。井上靖の、母をめぐる確執を描いた自伝的映画。

時代背景は1960年くらいから、次第に老いていく母と小説家として成功した私のファミリーの物語だ。

役づくりなのか判然としないが、作中の小説家は箸がちゃんと持てていない。1960年とスーパーが出ている。

小道具や時代考証をうるさく言わないが呆(ほう)けていく行く末の描き方といい、視点が今にしかない。

靴紐に関して「箸くらいちゃんと持てる」基準を課すが、VOL.3では映画の中の箸の持ち方を少し取り出してみようと思い立った。