「小さな家」

──人生の残り時間で、南の島に小さなちいさな家を作ろう──は桃里伊野田で始まりました。

用地取得二ヶ月、まずしたことといったらヤシの木を13本植えたこと。どれもまん中に、アンテナを一本立ちあげた。根づいた証拠。

廃構二棟の一つは、ほぼ屋根がない。わずかに残った屋根の下に、青いテントを張った。出生地・春日井(愛知県)で「赤テント」「青テント」計画の残骸を、遠く石垣まで運んできた。

小さくない2ケン×3ケンのもので、幕は新調。屋外作業の雨露をしのぐが、台風前に畳まねばならない。添付写真ではこれを背景に、座敷箒のようなオバケのような花が咲いた。

鋭い蕾は沢山、上向いて後に待ちかまえている。この開花に一つづつつき合う、島に来て足かけ一〇年初めてのことだ。

五島さんに来てもらって、電気・水道を90メートル敷設。私の方がいくらか若くて健康だか、ツルハシを振るのは彼にかなわない。コツコツと中ほどまで掘り進んだ。彼一人にさせているのだかは、3ミリ三芯を、保護パイプの中に100メートルを一人で通している。

これも一人でやるのは、ちょっとしたもの。ここまで三日間、本降りの日を安息日にあてたいがその日はまだ。昨日は雷鳴あり、安息日が近いことを予感させた。