散策の憂い

俳諧趣味はないが徘徊趣味の私に膝に水がたまった歩くなというのはさみしいことで、小康を得てどこまで行けるか早速ためす。

もともと遅歩フラフラ歩きでさらにのろくなったが、さしたるあてを掲げない。健全な二足歩行時代から往路をタクシーなんてこともあったから、決心などいらない。桟橋通を上りきって、日航ホテルの建つ道で折れた。

あとはどこで更に折れて、鍵形に引き返すかだ。目の高さの塀の上辺に、ゴキブリ。挨拶を交わすほど近い。