百冊

転居の機会に身軽になりたかったが本や原稿・手紙類については、ひとまず島へ運んでからパラパラみて取捨選択をしようなんて、きちんと目を通してないものが多すぎる。選択の規準はハンモックで読む百冊──に、この本は入るか否か? これがもう買わないひけつ。

買う頻度がめっきり低下した、なにしろわずか百冊だから。今日は久しぶりに本屋のお客になった、粗末な足許が写った写真の頁があったから。クレジットは蜂の巣にされて、それを処刑と言う側にあるのか?

担架の上で埋葬を待っている、隅に別の爪先が写っている。横たわった革命家の靴とも言えないトゥシューズのような、デリケートなゲリラの靴。ボリビアの荒地密林山岳地帯を踏みしめてから、重力から解放された。。

リュックもジーンズもスニーカーも「はず」して履く穿く、背負う。靴の主がかってこう言った、靴なくして行軍かなわず靴一足が生き延びることを保証す──と。

わずか五十年で、人とものの間柄はこうも変貌した。スニーカーを履いてくるならその靴に結んで差し上げましょう----が、来春開始の口上。恥ずべき「履かされて」しまっている私たちの足許。この死体が履いているソックスは、厚手のシャツの切り取られた袖ではないか?