合わせ張り棒、1500、900の台形。

野外施設や宿泊業種からの引き合いに応えようとしたハンモックに関したアプローチはこの四〇年のあいだ、まったく実に失敗の連続だった。この国にマジでハンモックに取り組んだ者なぞ、外にただ一人としていなかった。その事情は今も少しも変わっていない。ハンモックは浮ついたリゾートと客足を同じくするたとえばドンキのような空間でも、月並な無用のモノという印象ではないか? 始末の悪い浸透を歓迎できない日が来るだろうと思った。ここまで思ったより時間がかかったとさへ言うべきだろう。

ホテルのシーツ洗いが仕事として成立するなら、三日に一度でなくとも週に一度は。シーツのようにユーザーが代わるたびに、ハンモックをほどいて洗う──ふたたびスッキリ糊でも利かせて、次のユーザーを待っている。「リネンサプライ」業の品目を一つ増やす日も、マーケットの立地によっては到来するだろう。

そのためにハンモックの構造を、始めから考え直す時間は充分にあった。400本だか500本のハンモックを編むたびに一本ごとに工夫してきたつもりだが、気がつけば四〇年……以下、紙。私が体験した失敗の数々も、逐一、お話しするのも無駄でない。