ハンモック図録モデル

まだ六月のころだったか、四〇年間のハンモック手編みのページの、最後の一枚を繰る気がした。やや寂しいが撮りためた未整理の写真の中から、大部な図録にさあ取りかかろうと思ってね。

ちょっと寄り道して、湿度が下がってカラッとするまで──。もう終りだと思ったページはまだあって、褌・龍舌蘭の環状取っ手・アダンの気根から・あやとり──と予想以上の展開をみせた。

この辺にしておかないと、自分で決めた最後のページを見失ってしまいそうだ。秋風ふいて与那国の青い珊瑚のカケラの打ち上がる浜を知ったのを〆に、ハンモックの最終章に戻ろうと思う。

やちむん舘のガジュマルに吊ったときの、彼女の写真にします。これは石垣で手編みを再開する前の、赤テント(愛知県春日井市)での最後のものを持参。大浜記念館エントランスで、お披露目したもの。

2007年に伊原間に初めて滞在して浜で拾った流木にしつらえて以来、一〇年になろうとしている。その最後のページがどんなものであるのか? 彼女にも是非ご覧にいれたい。