ふたつの端始末

この道四〇年のロープ仕事の中心をなすのは、二つの端始末。特に高い難度でない。最近は看板のように「トゥルー・ラバーズ・ノット」を前面に掲げてきたが、手編みハンモックの実利はこの二つに尽きる。

ひとつ編むごとに新しい工夫を見出だして、四〇年が経ってしまった。と言っても近くにいるものでなければ、なるほどと思えないのではないか。五〇〇編んだと称しているが、三〇〇解いた数を加えていない。ささいな改変の連続はああもしてみたこうもしてみたで、一〇〇は手順をどこかに記録してある。何によらず奥の深さに共感するにもは、一芸で蓄積した時間が必要だと思う。

ハンモックを編む上でロープ・ワークの三つ目は「ショート・スプライス」だったが、後に「ヒトエツギ」にその座をを譲った──。かに見えたが、再びショート・スプライスに戻した。この変遷を、明らかにする日も遠くない。

これだけのプロセスが手編みハンモックの四〇年という時間だと、思っていただけるはずだ──私の四〇年を知れば。以下紙。