縄筋五〇〇におよぶ

みどり5足、あお3足、濃いみどり4足、黄7足、くろ3足、あか2足で合計は24足。

第三集はトリッペンになる。紐の染織は柿渋・藍・紅露・埴など落ち着いたアースカラーばかりだから、ポップな頁も欲しい‥‥。なんて思ってたら合成皮革のチープで愛らしい靴を、またしてもこんなに仕入れてしまった。

もともとハンモックの手編みの余剰から生まれたことで、靴の結びの図録も三冊で区切りをつける。今度こそ最後の2ダースと思うと名残が惜しまれて、手ごたえを一筋一筋確かめた。そうするとたびたび結びなおすことになって、新しい発見がいくつもあった。

かつて400余種も新しい結びの縄筋が生まれたものだが、まだ尽きていないのだ。この24足のうちの半分くらいはどこかしら新機軸が現れており、そのまた半分くらいつまり半ダースはまったく新しい縄筋を辿った紐靴のフォルムが誕生した。

三冊には収録しないが、縄筋図解500‥‥などという展望が開けてしまった。組写真は解くプロセスで撮っておきますが、この先は誰かの手が続くだろう。新手を待っている。一〇年くらいは待てる、急がず出会いを望んでいる。  

まだ三年前のこと、スニーカーを三〇、五〇と買いこんで結び始めたころこの着眼を、七階建てのビルが建つかも……と言っていた。その後、一七階にして(話の上で!)、いまでは七〇階が建っている(くどいが机上で……)。言うまでもなくそれには、一〇年に一人のパートナーが必要。そのヒト=S・Sの死について、以下紙。