キワタ

高枝ハサミは挟んだまま切り取る――が利点だが、手から三メートルさきでなかなか上手に操れない。

さんざん綿毛を撒き散らせて、わずかなパンヤを掬い採った。中にこの赤い昆虫が繋がったまま、何組も紛れ込んだ。彼らにも待たれたシーズンの到来だったのだ。

「キョロ」ちゃんのようなクチバシをひもで開かないように、とりあえず縛っておく。