「米のわらで作った綱」という見出し

1996年だかにギネスに、世界最大の「米のわらで作った綱」と認定されいる……と、那覇の大綱引きの時期が来るとこの見出し。

こうした季節ネタは「調査室」の何年分かの切りぬきを参考に書く記者に、デスクは自分の目で見て書けと小言を言った。もはやその嘆きも別の意味で、嘆かわしい時代が訪れた。

稲、籾、米、玄米、白米、飯……など、早苗は長じて頭を垂れてのち人の口に入るまでにたくさんの名前を持っている。その変遷のコンセンサスがとれていればこそ、小言も成立したのだった。

社会部の記者だけでない、見出しを付けた整理部員も悪しき前例に倣えばこそ凡庸な季節ネタも成立して、「米のわらで作った綱」などという見出しにはならずに済んできた。