野焼き

 野焼きというとすっかり産廃の不法焼却という語感だが、収穫後に野らに煙りたなびく稔りの秋の風物詩だった。
 ふるさとのプラットホームに立つと、気持ちのよく焼かれた田を望んだ。金属製のクマデのような道具で付きっきりで火を延ばしながら焼かなければ、こう見事な野焼きはできない。見た目よりずっと手間がかかっている。
 好天の朝からやらかしたいところだか、おうおうにして田をヘイゲイするマンションの住人に横槍を食わされることになる。洗濯ものに煙りのにおいが着くというのだ。