大晦日に失敬

 サネトモとお供の藁人形は出穂の七月、虫送り神事に使われたもの。春日井市内廻間の部落に今も残る。自宅から車で三○分も離れているが、明日には灰になるやもしれぬと大晦日を待って頂きに参上(内緒で)。
 ここ何年か虫送り直後に写真に収めてきたが、どうしても分解して構造を確かめたくなった。後継者消滅前に、ワークショップを主催する。それはもう今年をおいてないかもしれない、ぐうぜん知りえた近隣者の言葉だ。

 稲株に足をとられて討たれたサネトモは、恨みに虫を差し向ける。ここに虫送り神事のストーリーがはじまる。