新聞が二つある島、石垣。

見知らぬ土地の楽しみのひとつにローカル紙があるといって、どれくらいの人が同意してくれるだろうか。その社屋をながめて歩いてよろこぶ者は、さすがに多くない。
八重山毎日の立派な社屋には、外から見える看板というものがひとつもない。扉のここにほら書いてありますと言うが、外から見えるところになければ看板とは言いませんよ。
二つの紙面の飛行機のダイヤの表記の違いをくらべるともなく眺めていると、四面立てにすぎない八重山日報がだんだん可愛くなってきて少し遅くなったが、こちらにも有料告知を出すことにした。


八重山日報は下駄ばきアパートの一階で、角を美容院に貸している。その髪結いの亭主が社主であっても、いっこうに遜色ないが確かめてから言うべきだろう。こちらは一五段のままだ。料金は八重山毎日と同じだと聞いて、エー!と言ってしまった。失礼だったかな、でもよく言われてるだろう「二日分で三日」交渉は二つ返事で妥結。

翌日掲載紙をもらいにいくと、びっくりすることがまっていた。