「カラシナ」黄色い川プロジェクト・2

プロジェクトの意図について別項に栞を設けるが、着想のもとになった光景を申し上げよう。それはまだ見たことはない、いや遠いむかし当たり前に現出したものだったかもしれない。
都市を焼失させる空襲、または例えば報道規制をうけた当時の三河地震。焼け出され住む家を失って途方に暮れる人々の中で、ひときわ躍動的な生活力にあふれて生きるのは、黄色い川に住んでいた「もともと家のなかった人」ではなかったろうか?

大人でも行水できる大きなタライ、といってもプラスティックだがで受けて棒きれで叩くと難無くコップ二杯のカラシナになった。今回は収穫直後にすり鉢で挽いてみよう。案外、しばらくおいてからの方が美味い辛子になるものなのかもしれない……。