雨宿り

この土日、つぎの土日と人を招いて田植を予定している。雨でも私はするが来る人は、まずない。粳(うるち)米になる苗はすでに植わっていて、手植えの古代米の苗を植える余地を残して待ってきた。
夜半に雨、昼まで降ってあがると予報は言っている。ラジオ深夜便アーカイブズと称した放送劇を再放送する頃合いに、念じた通りに目を覚ました。雨音がする。それを目覚ましに、窓を開けて就寝した。
コケティッシュな金魚(!)がヒトと同じ空間と水の中を行き来する犀星の不思議なお話で、ヒロインは若いニ〇代の加賀マリコ。終わると、原作も会話で成り立っていて忠実にラジオ化されていると余計なことを言う。

あかりを点けてカーテンを開くと、いきなり柔らかい羽音をさせたスズメガが入ってきた。三角翼の懐かしのドイツの秘密兵器のように(といっても怪しげなイラストでしか知らないのだが)、蛾は羽根を畳まないことになっているが、天井に逆さにとまったせいか、羽根の付け根が鳥のように
発達しているからか、V字くらいに畳める。羽根が濡れたのだろうか。

雨が未明にあがってしまった。気まぐれな田植え遊びに付き合うなら、この雨で田の水かさが狂ってしまっただろう、五時前だが散歩がてらに見て来るとしよう。