昨日の弁当

弁当の残り……、久し振りだなその言葉のひびき。

樹齢180年とやらの杉板の曲げもの、昨日は雑誌広告用に中身を詰めて写真を撮ってみた。

行きつけの、蕎麦屋の親爺に無理を言った。
オウタニワタリとか月桃とかブーゲンビリア、近所をハサミを隠し持って一回りした。不審人物だ。

親爺にはお持ち帰りの弁当を三つ、とだけ伝えてあった。
青葉いろいろ持参して、別に使えたらでいいからと、それを空の弁当箱に敷いて渡すとウーンと言って腕組み。

目の前にいちゃやりにくいだろうからと、五〇〇〇円札一枚置いて出た。

大中小二段。お持ち帰りなんていったので小には、律儀にぎゅう詰めにしてあった。絵にならない。
それはちょこっと撮って、その夜のうちに胃の中に収まる。
中は紙ヒモでしばってバンダナに包んで、キミちゃんにあげた。お弁当の感じ、思い出したかったんだよ。

で、大を、日をまたいだ朝飯となったものだ。

白木の飯入れの方はタワシでガシガシ擦るんょ……いいわすれたが、堂々たる主婦に無用であろう。