導入部

棚田への脇道はなぜかいったん舗装が途切れる。それも悪くない。
琉球松だったかな、枝振りを確かめたのに今一つはっきりしない。
ここから上り、五枚の田は二メートル余の土手が重ねて立ち上がっているので、一〇メートルくらいか。
この松まで海抜が二〇メートルあるとすれば、三〇メートルだ。

隣人によれば土地改良前は、海水に浸されることもある田だったよし。
松の脇は扇状地のてりつきで棚田の際下段六枚目て、耕作放棄地。