type・カオコ

一ト月ほど前だが大きな一枚布を張ったハンモックを持っていると、「小屋がけ模合」の事務局を買って出たいとうかおこが言った。……汚れているけど、とも。二人の子持ちの独り親でこの夏の台風をどう凌ごうか?という善意の小屋住まいであれば、それは寝具としつ機能したに違いない。

布製にありがちな張り棒のないタイプで、アマゾンやペルーのネイティブの暮らしによく見られるものだ。彼女のものには、メードイン・チャイナの繍(ぬいとり)がある。

大げさなようだがこれを見た際にハンモックとともに38年の私に、何度目かの革命が起こった。布の両端から延びて吊り構造にハンモック至る部分を解き除くと、まずは素洗い次に作業服なんかを洗う強い洗剤で、それから漂白剤を加えてまた普段使いの洗剤でとテッテー的に洗いながら思いついたこと。

ハンモックをキャンプ場でほんの15分ほどブランコ遊びする遊具でなく、朝まで過ごす寝具てして再評価する。これが石垣島にハンモックの工房と、太平洋を見下ろす丘陵部にその設営ゾーンを開いた私のキモ。
それには、編む・吊る・寝る・洗う……ここまでを使用者がカバーする必要がある。この「寝る・洗う」間にある構造的問題を、なかなか上手く解決できずに30余年が経ってしまった。

この感慨に新しい着眼をひそかに記念して、「タイプ・カオコ」とよぶことにする。あんまり汚かったからだよ(((^^;)。藁算を現代に暮らしの必然として附属させるおまけ付きのハンモック、以下紙に。

昨日ご本人試乗の図、やちむん館とどろきの森工房にて。小屋がけ模合の刻み加工の脇、緑蔭風景を長く記憶に留めるだろう。