TYPE ・かたるべの森

三年越しの新作「TYPE ・かたるべの森」ハンモックは、キャンバスロールにドローイングが脅迫神経的に施されたもの。比喩ではない、いわゆる分裂病質者施設の収容者の手による。

アクリル絵の具とも呼べない水性ペンキ、ネオカラーを盛り上げてこびりついた帆布を四度五度と洗ってから小削げ落とした。

一反分のロールのままのキャンバスを床に展開して、わぁキャー言って書きなぐったものだろう。目に見えるようだ。

遊び疲れて日が暮れて、やがて厄介者になって日陰に忘れられたもの。これが「TRUE ・かたるべの森」ハンモックの前世なのだ。今日やっと、その一がハンモックになって姿を現した。