投稿 「スニーカーの紐・結びの教室」の文面
藁算(わらざん)を、ご存知でしょうか? 束ねたワラの一本一本に法則的な結びを連ねた、文字や数字に代わる記録。
穀物の収穫分配や人口増減と徴税経理などとして、ワラが使われた驚くべき歴史がこの島にはあります。学校の運動会に縄綯(な)い競争があるのは、こんな永い暮らしの時間の先のことだと知って嬉しくなります。
島に来て大浜記念館でハンモックの手編み講習会を開いてから、指折り数えてみると・・・。ハンモック歴は四〇年、この島であと五〇〇本編むつもりです。
これを一億人で割ると二〇万人に一つ。島に年間一〇〇万人が訪れるなら、毎年五本のハンモックが売れるーーなどとうそぶいて七年が経ちました。もっともこの調子だと、完売に一〇〇年かかります(笑)。
近ごろはハンモックを編んだ余り端を、デコラティブにスニーカーに結んでいます。私のギャラリーをガラス越しに覗いて「キャー可愛い〜」という声がするので、嬉しくなって三〇〇足も靴ヒモで遊んでしまいました。ーー研究してしまった、と訂正(笑)。
同じものは一つもない。ぜんぶ違う結び方なのが自慢ですが、何屋さんなのか分からなくなってしまった。そこで今週末の「スニーカーの紐・結びの教室」で、遊び納めにしようと思います。
スニーカーは各自ご持参、別に新しいのじゃなくて構いません。なんなら、履いていらっしゃった靴のヒモを外して結んでもよろしい。
場所は飛行場にほど近い轟きの森の中、やちむん館工房で3/5(土)午後一時半から。新川のツンマーセの先、前木組と道を挟んだカフェ・クラスでも3/6(日)午前一〇時半から。
前者は080 1560 0129、後者は090 271 3 7831。携帯番号だけで届く短いメールで申し込みいただけると有難いです。講師直通は070 5407 5893、小川です。材料費など一五〇〇円が必要です。
ビーチサンダルも似合いますが靴ヒモもちゃんと結ぶ稀有の文化も、八重山の島々は育んできたのでした。
写真をご覧になればお分かりのように、この靴の結びは「ちゃんと」以上の過剰なものです(笑)。
小川窓太 2016-2-28