そうた由来

三ツ星幼稚園の園長・ゴローさんは彼のおじいちゃんの尋常小学校の同級ですでに空きがなかったから、人生の入り口からし裏口入学──とよく言ったものだ。。

その彼が私になる日が来るとは、思いもよらなかった。いくつかのDMにこの名を記してもほとんどの方は無反応でいてくれたが、正直に違和感あるなァと言った方もあった。

優しく修繕された黄色い小さなハサミは、緑色の「おどうぐばこ」に入っていた。持ち主不在後ながく私が卓上トレーとして、机の脇に置いてきた。これを島には持ってこなかった。

後年そのおじいちゃんが折れたハサミのツルを、こんなにして近くに置いていたとは知らなかった。これを我が三代の墓碑銘にして島に埋めるだろうか。墓碑銘を携え出かけて行くこの先はもうないだろうか。