アルバム「トリッペン・24」

散乱した作業テーブルに初めて結んでカメラに収めたのは、昨年2015年9月21日のことだ。まだ一年経っていないが、それからずいぶん遠くまで歩いてきた気がする。

写真は294、300、301、302と三足のトリッペンに結んでのち、七足目のトリッペン303に結んだバリエーションの六番目のもの。トリッペンシリーズの連番で20、昨年も押しつまった12月28日の日付が製作ノートにのこっていた。
トリッペンの靴は七足しか手もとにないので今日までに72通りに結んだと言っても、そのほとんどが解いて「紐に戻って」いる。

どうしてもこのままにしておきたい──そう思わせる結びが成立すると、事態は硬直してしまう。凡てをご破算にする! そう思って夜中に仕事を仕舞うのだが、あくる朝はまた心が定まらない。

アルバムは24作収録綴りとして不完全で、当の只一冊はベルリンにある。やがて少なくもその三倍はある写真集が出来る、その後に返答があるのが理想的だがさて。