矢印と岩田センタロウと岡田マリコ

センタロウとマリコ、字面にいまいち自信がない。竹のウチワを手にしてみると、時として合成樹脂化も後退したものがあることを知る。50年も前のことになってしまったが、私にデザインを教えてくださったのは野崎悠子という方だが、プラスティックス一体ヒンジがン万回の開閉に耐えた──などと聞かせて、田舎のコドモの私を驚かせた。

先日船に乗り換えた鹿児島の古道具屋で、色のつかえた団扇を二枚手にいれた。若くない者にしばらく手にしない竹のウチワを、持たせてみたい気になる。

その軽さに、ウチワとはこういうものだった──小さな驚きがあるだろう。話題の背景については、以上だ。

さて浜辺散策は600年前に沈んだ交易船に由来するが、しばしば枝珊瑚の欠片が矢印の形だと強弁に終始することがある。以下紙。