こっちの水は、

こっちの水は甘いゾと、加藤正康(瀬戸)の青白磁の汲み出しを置いた。訳はカネタタキか瀕死のコウロギが、ここにさんにちウインドの中で鳴くのだ。バナナについて、入ってきたのか?

そもそも、呑まず食わずでお役目を果たすのか。夕べは小一時間、硝子をひらいてみたがお出掛けの様子はなかった。秋の虫にクーラーはどうか、判断はつかない。

こどもだったら、カネタタキに聞いてみよ──などとよく言わせる子ども時代を過ごした私だ。