三点吊りのハンモック

三点吊りのハンモックをはじめて編んだのは妙高高原のペンション村で、野外設営のハンモック展を開いた二〇年以上も前のことだ。ヴレベーユというペンションのスイートルームの為にダブルベッドの代わりに、ダブルの室内ハンモックを作ってみた。雰囲気のあるインテリアを傷つけないように、過度に揺れない構造を考えてみた。
横になった二人のひとりが降りてもハンモックがバランスを崩さないように……という、欠かせない問題点を解決する必要もあった。以来、細部に工夫を重ねて、なにかの機会に意匠登録ぐらい出しておこうと思って今日に至ってしまった。
真似して作ってみましたという人に会えたら案外、私は嬉しいかもしれない。水没の危機に瀕した珊瑚の島国の起死回生の物産に、私の流木ハンモックを仕立てげたいとそのヒトは言う……私の夢想である。

写真は製作過程にあるが、落書きした支点にそれぞれ吊りロープが取り付く。反対側は一本で合計三点で吊る。これは波照間島の流木。漂着ロープは弱気になって、支点を細ロープを巻いて保護する棒結びに使う程度で次回の課題にしておくとしよう。

石垣島の大濱記念館では高い吹き抜けに展示されるから、細部の構造は判らないだろう。載り心地も試していただけない。そこで二月から三月にかけて、屋外設営を交渉中です。私設キャンプ場「ココスビレッジ」、宮良の旧道ヤラブ並木沿いの冷たいスイートの店「ミスター&ミセス石垣」、白保のサンゴ村と伊原間のコーラルリゾート「気まぐれアジア」、以上の五ヶ所を予定しているが、詳細をこれから打ち合わせる。この一月二〇日には渡島して日程を詰めて、二月一日からの展示直前にDMを間に合わせる。

他島では黒島・竹富島、こちらはもう少し暖かくなってからになるかもしれない。

ココスビレッジはデイキャンプ扱いの入村料(1000円)がいることにしたいが、他は無料。受講料・材料費別途の手編み教室も申し込みがあればぜひ開きたい。ロケーションのよいところにお招きいただけるのなら、出前講習会というのも面白い。