萌える頃

近景に軍手の二枚、遠くに焦点あるのは超早場米が採れるというころ島を出て向かった先で、手植えしたしたウネウネの早苗(素人が植えている)。
ピントを接近させたのには、カマキリ。ころはその幼い旅立ちの時節だった。
生まれ出ずる途端に厳しい旅立ちのシーンを、連中が向かえるのに目を遣った。

刷毛を持つこともあって踏みいる魔界から救おうとすればするほど、柔らかい命を傷つけてあげくに判らない痕跡を作りかけの外階段の手摺に残してしまった。

うずくまった影だけの痕跡になった人を、原爆ドームで見たのは修学旅行の十七歳だったか。