00318メモ

スニーカーにハンモック手編みのロープ端を用いたものを、私の結びの歴史の中で「最大の鉱脈」と自称してきた。この憑き物が去るには、1000足くらい結ぶことになるのではないか? などと思えて、DMのタイトルにしたりした。

思うほど人に足もとは見えていないな──我にかえってスニーカーのナンバリングを見る、318足目。

317足までで左右を違えるコンビネーションに、意地を張るのは終った。そもそも左右異色のスニーカーは、浮き沈みが激しく変動を演出して不相応な消費の、尻馬に乗るような片棒を担がされることはお断りする──メッセージだった。

歴史あるヨーロッパのトリッペンカンペールが紐靴の未来に、明快な展望を描けなくなった。どう見てもそう思える。1000足を待つまでもなく、三つ縒りロープを靴ヒモにした全体像を俯瞰することになる。

折り返し地点を回って再びスタートラインをゴールとする、新しいこの期を「318」と名付ける。履いて解くとどんな糸口(緒=いとぐち)か? きっと、ご覧の方々の予想を許さないでしょう。続きは島に戻ってから──。