港の外にも

入国手続きのいる柵の中の専用ポートに今朝、姿があるのは小振りなクルーズ船だ。二隻泊まるスペースがないのは事実だか、港外の遠景に巨大な横顔が見えている理由は他にある。

赤い橋脚の曳き舟が停まっているが、所在ない。大きな船が通い舟で送迎するのは、専用岸壁の深度に問題があるからだ。

日本のフジマルにだったが小笠原まで、三度乗ったことがある。甲板でハンモックを編む教室を開いたが、次は南太平洋を一ト月半かけて回りましょう。島々で途中下車してハンモックを吊ってみます――と、国内唯一のクルーズ船専門の旅行社だという社長に言ったりした。

しばらくして、フジマルの廃船を聞いた。二日かかって行って二日いて、二日かけて戻って来るような船旅はもうしないが、あのときの提案を取り下げていないつもりだ。

そればかりか次にお会いする機会には、KNOT FRAME に一つづつ結びを加えていく「結び指南」のお話をしたい。先ずは専用コレクションボードを、用意しておく。

コレクションボードといっているのは、厚みのある収容物が収まる奥行きの深い額縁――と言えば分かりやすい。母方のハトコくらいの遠縁がやってる、梅村額縁を一度訪ねる理由を探していたくらいだ。

クルーズのコースに石垣島が入ってる企画がよい。ここから乗船または下船、どちらも石垣島とはいかないだろう。まぁ、五年後か?