コンビニ本

限られたコンビニのマガジンラックのキャパシティに、ロープワークとか結び方といったタイトルが入る。火災を起こした高層ビルからシーツをつないで脱出するとか、負荷を掛けても絞まらないロープ中間点でループをつくるには──などとどれくらい役に立つか定かでないペーパーバックス。

風呂敷で一升瓶を二本包むネタを軽い読み物の範疇に入れるとは、多品種小ロットのコンビニらしい胃袋と言えるだろう。

たいしたヒゲも生えない私は最安値のT字剃刀を使ってきたが、売り場面積から見てコンビニには置けないアイテムだ。季節商品!とはいえ紐本とT字剃刀を比較して考えると、日常的な手のワザの伝承に未来がないわけではないとも思った。

トリッペンの七足ほどでないが、イギリス・イタリア・スペインに国内メーカーの革靴にも結んでみた。太麺程度に切っただけの革紐を付属させた靴があったので、これを履き慣れた古靴に流用してみた。

そこで気づいた、紐本がつつく重箱の隅でなく、靴紐が目指さす中心とは──以下紙。